Dir en grey
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■アーティストについて

まだこんなにヴィジュアルにハマる前、初ライブに行く事になった時に予習でもしとこうと思って2ちゃんねるのヴィジュアル板に行ってみたわけです。あそこは知識を得るには便利ですからね。
そしたらなんかこのバンドが凄い人気でびっくりしました。
「殿(ボーカルの京の事)」だの「虜(ファンの事)」だのどのスレにも絶対書いてあるわけね。
その前に「漏れ」だの「吊ってくる」だのあんまあそこに行かない私でも分かるぐらいの死語が溢れているのにもびっくりしましたが。
その時は「あーなんか凄いファン多いなー」ぐらいにしか思ってませんでした。

んで残を何かで聞いたときにピンときました。
実は友人にヴィジュアルに染められる前から知っておりました。
たしかMステで歌ってましたよね。母が大の元・グレイファンでして、その時にグレイが出るっていうんで私も見ていたんですよ。あれは凄かった。

当時の私にとってはビジュアル系=聖飢魔Uだったので登場したときはTMみたいな凝った衣装だなーぐらいにしか思いませんでした。
歌が始まる時に京さんがガっと見開いた目でハァハァ言っていたのは今でもぼんやり覚えています。
キンキ目当てで見ていた妹は相当恐がっていました(時に人がウネウネしだした時)。
母はちょうどキッチンに行っていたのですが、見てたら多分始まったとたんにテレビ消すよなあ…。

最近まで「ディルアンドグレイ」だと本気で思っていたのは私だけではないはず。

あと、なぜか予感のシングルを二つ持ってるんだけどなんでだろう…。


MACABRE

上のようなことがあって「残」がどうしても聞きたかった私。
しかしなかなかCDが売っていない。

日記でいつか書いたアルバムだと思ったらシングルだったっていう「JEALOUS」が一昔前のビジュアル系まっしぐらでなんかルナシーっぽさがムンムンしてて正直あんまりだったので(ドラムがとにかくうるさいのが印象的でした)シングルで欲しかったんですよね。

そこでこのアルバムを発見。
セール中でちょうど650円。
しかも残が入ってる。
何よりも玉が入ってる!!(特殊パッケージ)

って事で購入。しかし入っていたのは「」ではなく「」でした。よく確認しろよ…。

そんなこんなで最初はかなり不服だったんですが、ちゃんと聞いてみるとかなりいい
まず全体的なドロドロした雰囲気。最初のイントロ…と思えば歌詞が入っている「Daity」からもう気分は落ち気味なのにそこにぶち込んでくる「脈」はかなりクル。さらに「理由」で沈んで「egnirys cimredopyh +) an injection」で一気にハイになりまたイントロかと思えば歌詞がある「Hydra」で無駄に長いドロドロした音を聞いて落ちて「蛍火」でさらに沈んで「【KR】cube」で結構聞き入って「Berry」で一気にハイになり「MACABRE」で無駄に長いドロドロした音を聞いて落ちて「audrey」で切なくなって眠くなってきた所を「羅刹国」で叩き起こされ「ザクロ」でしんみりして眠くなったところで「太陽の碧」の清清しいメロディと歌詞で爽やかにシメる!!!

なにこのハイクオリティな流れ。
歌詞カードだけ見た時にエロくてグロいだけでイマイチだなーとか思っててごめんなさい。
やっぱアレだ、エラそうな事言う前にいっぺん聞いてみろって事だね。

でもドラムはなんかちょっと好きになれなかったり。なんか無駄に軽い…。
このアルバムだけで評価するのもアレだしなー。今度別のアルバムも買ってみよう。

■何曲かピックアップ

・脈

勘違いの原因の歌。
こういうブッ飛んでる変態的な曲は大好きです。

まずはボーカルさんお得意のシャウトで始まり、その後はメロディアスに歌いだします。
しかしよく聞けばその裏で奇妙なシャウトが重なっててサビに近づくにつれてどんどん大きくなるシャウト…こういう構成の曲は大好きです。
そしてサビは一気にキャッチーに。ここだけ聞いたら普通の歌だよなあ。

んでそのメロディアスでキャッチーなサビの後の語り。歌詞カードを見た時はどう歌うのかと思ったらかなりの早口で語ってました。なんかこの語りを聞いていると京さんの頭が心配になってきます。べチョべチョなアレとか三分天国とか錯乱状態とかもうどっからそんな言葉を入手してくるんですかあなたは。

とにかくこの曲でガッチリと心をつかまれました。
ええ、変態とでもなんとでも罵ってください。


・egnirys cimredopyh +) an injection

最初からもう奇妙なメロディ全開。正直かなりイっちゃってます。
ドロドロというよりもグニャグニャした感じである意味このアルバムでは浮いてたりするんですが(一番は太陽の碧ですが)これでまた心を掴まれました。
サビの「肆・陸・壱・誤・漆・お腹出したい」なんて当て字がもう何ともいえない。
鼻歌でこれを歌ってる時に後ろに人がいたときの恥ずかしさといったら…。

最後の方の唐突なラップは初めて聞いたときは笑ってしまいましたがイっちゃってる感が出てグッド。この他にも「クックククク黒い猫が」とか最後の「だぁかぁらぁつぅるぅしたぁぁんんんんだぁぁぁぁぁ」とか…。

あーダメだ。このイっちゃってる感を文字で伝えるのは不可能だ。
とにかく聞け。

ズンチャズンチャッチャってテンポが何かに似てるかと思ったら昔の「学校に行こう」の「お前の母ちゃんお前の母ちゃん」ってやつの「ズンチズンズンチ」ってやつだ。え、そう聞こえるのは私だけ?


・Berry

アメリカン的要素を取り入れつつも歌詞はいつもの京さん。
所々に入ってる英語とか間奏のホームドラマっぽい台詞もいいね。蒼い芝生の広い庭がある白い家が何となく想像できます。犬の鳴き声とか本当にそれっぽくて笑った。

結構ポップな割りにはテンポが速くてドラムが常にバンバン鳴ってます。
歌詞はアレなのにこの疾走感。こういう変なギャップは大好きです。


・羅刹国

すんごいデスメタル。聞いてると自然に首が縦に揺れる不思議。かなり早い。
残と似たような感じだけどこっちの方が激しめですね。あっちは激しさよりもイっちゃってる感の方が大きいもんなあ。
そんな曲なのに歌詞は和風。っていうかエセ和風?
歌詞の意味は未だによく分からないけどとりあえず退廃的なものは伝わってきます。

京さんのシャウトは何て言ってるか分からなくて有名ですが、この曲は「れぃっしっききゃあい(気合)だー(じゃいっ)」ってな感じに聞こえます。

カラオケで歌うとテンション上がりまくりですがドン引き覚悟で行いましょう。


・太陽の碧

このアルバムをこれでシメるか。
かなり普通の歌。シャウトも摩訶不思議なメロディも一切無しなバラード。

詩も曲もとにかく爽やかです。だって「十八を過ぎても夢精は今だに止まらず
」とか歌ってる人が「真夏の太陽 想いを重ねた季節」とか歌ってるんですよ。もうおばちゃんビックリですよ。マジで。
単品で聞くと爽やかな感じだけどこのアルバムに入ってると爽やか過ぎて逆に不気味な曲に聞こえるのであら不思議。

■さくっと感想

・Daity
このアルバムを始めるに相応しいドロドロ感。
暗い部屋で聞いてるとなんか地獄に引きずり込まれるような気分に。
これ何語なんだろう。

・理由
曲だけ聴けば結構普通なんですが歌詞はアレ。
しっかしこんな優しげなメロディで自殺の歌ってどうよ…。

・Hydra
ドロドロパート2。ちょっと長すぎると思う。眠くなる。

・蛍火
綺麗な曲…なんだけどなんかすごいオドロオドロしい。
歌詞のせいかしら。

・【KR】cube
なんか変な歌だけど個人的には結構好き。
くーるりふーわーりって結構キャッチーですよね。

・MACABRE ―揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹―
CDタイトルになってるだけあってグログロドロドロしてます。
ちょっと長くてダレますが完成度は高いと思います。

・audrey
「毒の花」ってフレーズ好きですよね。
いい曲だと思うけど、この個性豊か?な曲ばっかのアルバムだとちょっと目立たない。
「あれ?あと一曲あった筈だけどどんなんだっけ?」みたいな存在。

・ザクロ
すんごい痛々しい。最後の京さんの裏声リピートがさらに痛々しい。
でもやっぱ長くて眠くなってしまう…そして最後の裏声でビビって起きると。

■まとめ

とにかくイっちゃってる曲好きな私にとっては大満足なアルバムでした。
このイっちゃってる曲っていうのは歌詞がおかしいだけではなくて…こう、とにかくクルものがあるものを言うわけですよ。歌詞が普通でもクル曲はクルもんなあ。
…かと思えばバラードも理由とか蛍火とかなかなかの粒ぞろい。
最初は不服だったけど買ってよかったと思いました。脈さまさまです。

ただMACABREやザクロなどちょっと聞き入ってないと辛いのもあったり。
MACABREとかかなり作りこまれてるのに長いせいでダレてしまってもったいない。
長くするならするで聞かせる工夫をしてほしいところ。

このアルバムの歌詞カードには曲ごとに写真と詩が付いているんですがこれがなかなかの出来でおすすめ。脈とか歌詞よりこっちの方がグロいわ。般若こえええええええ。
メンバーの写真もあるけど暗くて分かり辛い。「JEALOUS」ぐらいハッキリ写して欲しいです。

最近のDirはよく分からないけど、まだこういう感じだったら買ってみようかと思いました。
あと残の入手。アルバムでもいいから古本屋にないかなー。

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