L'Arc~en~Ciel
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■アーティストについて

ちょっと日記でも語った触れたりしましたが、改めてちゃんとCDレビュー。

恐らく、私が初めて自分で購入した(入手した)CDは「ray」でした。
なので付き合いは結構長いのですが、好きになったり冷めたりを小学生の終わり辺りから繰り返し過ぎてなんかファンというよりも腐れ縁という方が近い気がします。

好きとか言ってるわりには最近の活動にはあまり興味が無くCDも中古で安かったら買うみたいな感じですし、ライブにも行きたいとはそこまで思わないし、ファンクラブにも全く入る気ないし、オフィシャルサイトもこのレビューで初めて行ったし…。

いや、本当に好きなんですよ。
「詩がいい=いいバンド」と勝手に思っていた私の目を覚ましてくれたのがラルクでした。これはhydeの詩がよくないと言っているわけではなく、「歌」というのは歌詞だけではなく曲と歌詞があって初めて「歌」になるんだと実感したというか…。あーもーとにかく自分の視野の狭さを実感したわけですよ。

つってもREALと活動休止で軽く冷めてそれ以降のアルバムは買ってないんだよなあ。
うーん、だってなんかあの黄色いアルバムパッケージからしてポッピーな予感がするし、REALもシングル以外は特に目立つ曲無かったしまた後半バラードで耐えられなくなって寝ちゃうしで微妙だったもんなあ…。一曲一曲の出来はいいと思うんだけどってアルバムレビューになっとるがな!

…うーん、こんだけ語れるって事は世間で言うラルヲタなのか私は。
ray
これはもう聞きすぎて全曲空で歌えるぐらいになりました。

これを購入した理由はくじ引きでたくさん用意されたCDの山から一つだけ選んでいいってやつだったので「ラメラメしている(初回版)」という理由でこれを貰ったわけです。
これがたしか小5ぐらいでしたけどCDプレイヤーを持ってなかったから封印してちゃんと聞いたのが中1か2ぐらいでしたね。

ラルクの中で一位二位を争うほどの完成度を誇るアルバムと言っても過言ではありません。少なくとも私はこう思っております。一曲一曲の完成度はもちろん、ロックロックしてるくせに退廃的に統一された世界観…。もう名盤ですよこれ。

曲の流れも「死の灰」で激しく始まり「It's the end」でキャッチーで疾走感もありながらも妖しいメロディに惹かれ「HONEY」のゴリゴリロックサウンドに驚きつつ「Sell my Soul」の退廃的で切なく悲しい気分を「snow drop」でちょっと持ち直して「L’heure」でちょっと休憩したら初っ端から「花葬」でダークな気分になり「浸食」で打ちのめされ「trick」でゴリゴリ低音ボーカルを堪能して「いばらの涙」でまた切なく沈ませて「the silver shining」で壮大にシメる。

ラルクで結構多い後半バラード詰め込みすぎによる睡眠誘導もありませんし、通して聞いてもダレることはありません。

やべえ、誉めてばっかだ。またムックみたいに全曲レビューになりそう…。

■ピックアップ

・死の灰

この退廃的なアルバムの幕を開けるのに相応しい激しいナンバー。
「HONEY」もロックロックしてるけどそれとはまた違った感じですね。
結構テンポは遅めなのに何この勢い。ガリゴリしてるけどまとまってる。
しかしこれってtetsu曲だったのね…。今じゃ考えられないよ。
ポップもパンクももういいからこういう感じな曲を作っていただきたい。


・HONEY

すげえ…、なんだこの危ないギターと暴走したベースは。
これでyukihiroの正確にリズムを刻む機械ドラムが浮いてしまうかと思えばそうでもない。
すげえ、本当にすげえとしか言いようが無い。ついつい歌詞より曲に耳が行ってしまう。
どちらかというと明るいな感じでこのアルバムでは浮くように感じてしまいますが、ちゃんと歌詞を見たら実はなかなかホラーな曲だったりします。サビだけだと明るめな印象なのになあ。
しかし本当にこの曲のベースは神だと思う。


・Sell my Soul

これは隠れた名曲だと勝手に思っています。
退廃的というよりも幻想的というか、綺麗なのにどこか切なさを含んだメロディに悲しい歌詞…。
ぱっと見(聴き?)目立たないけどこれかなりの名曲ですよ。
結構有名な「いばらの涙」の存在でちょっと薄れちゃってますが。
所々に入るピアノが切なさをさらに引き立てていい。hydeの歌声も綺麗だ。
多分このアルバムの中で二番目に好きな曲。(一番はレビューの長さで分かると思います)


・snow drop

ぶっちゃけちゃうと、この曲は単品だとあまり好きではありません。
なんかチャラチャラキラキラしているというか、ただ綺麗なだけみたいな。
しかし、このアルバムのこの位置に入るとこの曲の印象はガラリと変わるわけですよ!
単品だとまあとっても綺麗で素敵なラブソングって感じですが、この退廃的な曲の中に放り込まれると、一気に雪に埋もれた退廃的な世界の曲へと変わってしまいのであら不思議。
普通の「snow drop」と「rayに入ったsnow drop」は全くの別物と私は考えています。
あ、「PVのsnow drop」も別物で。あれ絶対バットエンドですよね…。


・花葬

なんとなーくこれはhydeがやりたい放題やったような曲って感じがします。
絶対あの人聖書とかゴシックとかそういうの好きですよね。PVとかすげー。くねくね。
歌詞は言葉の響きは綺麗なんだけど意味を考えるとホラーテイスト。どんな解釈にもできるところがまた薄気味悪いというか…。そんでもって間に入る英語詩がまたいいですね。なんか輪廻転生みたいな感じで。「生まれ変わりの痛み」とか歌われてますしこういう解釈も有りでしょうか。
そんな歌詞とともに曲も妖しさ満載。特にkenのギター。ボーカルは淡々としているのにギターはもう切なさ丸出しですよ。んでベースはいつものように独特なんだけどなんか奥深くでゆらゆらうねってるしドラムはいつものように淡々とリズム刻んでるしでさらに切ないギターが引き立って…

だめだ、この曲大好きすぎて語ると長くなるわ。てかすでに長いね。
あーまたこんぐらい語れる曲出してくれないかなあ。


・浸食

最初は静かに始まってバラードだと気を抜いてたら凶変。
静かに溜めて溜めて急に激しくなるサビには初めて聞いたときマジで鳥肌発生しました。
鐘の音やギターのストリングス(っていうのあれ?)とかが不気味な感じが出ていいね。より無気味になるように細かく作りこまれているのが分かります。こういう所にこだわった曲大好き。
でもよーく聞くと音はそこまで重たくないんだよなあ。hydeのダークで無機質なボーカルのおかげで重たく感じるんだろうか。
これはシングルに入ってるリミックスがなかなかトチ狂ってて素敵。


・the silver shining

一言で言うと壮大
この聖書とか神話とかそんな感じのアルバムをシメるのにはふさわしい曲だと思います。
退廃的な世界に光が差してきたとかそんなイメージ。
今までの曲の綺麗さとはまた違う綺麗さですね。神話の終わりみたいな。
色で言うと銀色や白…って月の歌なんだっけ。しかもタイトルにシルバー入ってるし。
死の灰でゴリゴリ始まってthe silver shiningで綺麗にシメる。この構成が大好きです。

■一言レビュー

・It's the end
死の灰に続いて疾走感のあるロックナンバー。
…なんだけどなんか不気味な感じ。ロックでいいんだよねこれ?

・L’heure
外人の会話。ちょっと休憩タイム。
なんか女性の外人の声=ラルクって感じがする。

・trick
ゴリゴリロック感が凄くカッコいいわーこれ。
全部英語ってのはぶっちゃけ好きじゃないけどこれは許せる。

・いばらの涙
Sell my Soulみたいな幻想的で切ない曲。
これとSell my Soulどっちをレビューしようか結構迷いました。
しかしこれの英語版はちょっと発音も音程もヤバいと思う…。

■まとめ

とにかくこのアルバムの売りは退廃的に統一された世界観ですよ。なのに中だるみせず飽きないのは一曲一曲が退廃的ながらもシチェーションがまったく違うってのもあるんだろうなー。よくよく考えると歌詞も曲もバラバラなのにこの纏まり感は本当に凄い。

よっぽど余ってるのか通常版も限定版もブックオフとかその辺で280円ぐらいで売ってるだろうから取りあえず買って聴いてみてください。確実に280円以上の価値があると思います。

…なんだこのべた褒めレビュー。

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