ミドリカワ書房
※公式サイト

これは本当に一目惚れ(っていうか一聞き惚れ)でした。
100円ショップの有線で「顔2005」を聞いた瞬間に惚れました。最初に聴いた時はくるりとかスガシカオとかその辺の人だろうと思っていたら歌詞がとんでもなかった。その日の内に歌手名を調べてその次の日にアルバムを定価で購入という本当に衝動買いをしてしまいました

さだまさしっぽいようなフォークシンガー。声はスガシカオとかくるりとかそんな感じ。どっちもよく知らないけど。あとBUMPの藤原君とも同じ系統っぽい気がする。曲調は80、90年代っぽくレトロとまでは行かないけど懐かしい感じで結構キャッチー。

これだけなら癒し系シングライターっぽい紹介ですが、歌詞はなんか生々しい。一昔前のお昼のサスペンス劇場のエピソードに含まれてそうなそんな感じ。物語性のある歌詞で詩の背景がハッキリと浮かんできます。

あと、顔が結構好み。ボデーも本人の言う通りスレンダーだし。
え?私だけ?え?趣味悪い?
うるせーちくしょう!!


みんなのうた+α
ええ、新品を衝動買いしましたよ。あの頃はまだ余裕があった…。
実はレビューするにあたって初めて公式サイトの存在を知りました。どうやら初回特典にはDVDがついてたとか。ちょっと欲しかったなあ。

曲と曲の間に次の曲に繋がるちょっとしたショートドラマが入ってるんだけどこれが曲と同様に出来がいい。ただ、ランダム再生する時は非常に邪魔だったりしますが、MDに曲だけ入れればモウマンタイなことに最近気が付きました。でも無かったら無いで寂しいんだよなあ。

これはアルバム…と言うよりも短編集という呼び方の方ががしっくりきますね。本当に小説を読んでるような気分になる。整形、離婚、中絶、浮気…など身近じゃないようで身近なテーマばかりなので、感情移入は結構できる…のかなあ?まだ人生経験の少ない私には少し難しいです。

■何曲かピックアップ

・顔2005

上で書いたとおり、この曲のおかげでハマりました。

自分とは違って美人な母親にコンプレックスを抱いている主人公はついに一大決心を…ってなんか小説のあらすじを書いているみたいですが、これは曲の紹介です。
曲調がフォークよりもバンドサウンドっぽくて聞きやすいです。
一度聞くと忘れられないキャッチーさもいい。歌詞のインパクトも大きいですしね。


・笑って俺について来い&だまって俺がついて行く

この曲は二つで一つだと勝手に思っております。
タイトルだけで分かると思うけど前者は新しい暮らしのために働く男で後者はヒモ。
笑って〜の方で主人公カッコいいなあ…と思った後にヒモの歌ですよ。
この対比はなかなかインパクトがあります。
しかしどちらの曲も主人公が幸せそうなのがいい。


・それぞれに真実がある

離婚して離れ離れになる娘へのメッセージ。
もうやばいこれ。なんかすごく胸にジーンと来る。
てかこれの前のショートドラマがあんなのだから余計曲が引き立つんだろうなあ。

どうもシングルカットされているらしいですね。
カットするなら聞きやすい顔2005だと思っていましたが…。
これも好きだからいいんだけどね。続が聞きたい。


・馬鹿兄弟

借金でチンピラに追われ遺書を残して失踪した弟のお話。
歌詞は実話なのかなあ。ミュージシャンの兄がミドリカワさん?
この曲はとにかく歌詞の完成度が高い。
もうこれ一曲だけで二時間ドラマが一つ作れちゃいそうです。


・雄と雌の日々

生々しさナンバーワン。

中絶手術のお話。生々しい。
個人的にこのアルバムで一番の生々しさだと思います。
私の周りでもこういう話がちょこちょこ出てくるので余計生々しい。
お父さんとの話し合いあたりが結構リアルっぽいけど実話…じゃ…ないよねえ…。


■一言簡単レビュー

・保健室の先生
ライブでは地名変え&セクシーダンスで結構盛り上がります。
しかしエロいなあ。歌い方だけじゃなく曲もなんかエロイ。何というか大人のエロス。

・ユミコ
なかなか軽やかな曲なのに歌詞はどしゃ降り修羅場真っ最中。アコギがいい感じです。

・居るんだ
これこそ80〜90年代って感じなバラード。ちょっといい感じすぎて物足りないけど。
しかしミドリカワさんはダメ男を描くのがなぜこんなに上手いのか…。

・チューをしよう
唯一のメッセージソングがこれですよ…。大好きですが。
歌って踊れるダンスチューンらしいです。

・真っ赤な太陽
一言で済ませるとただの自慢話。しかしこれは保健室の先生とは違ってなんかガキっぽいエロさですね。ハワイアンな感じで聞いてると海に行きたくなります。

・私には星が見える
怪しい。なんか凄く素敵で切ないキラキラしたバラードなんですが、なーんか怪しくて「この主人公も一年ぐらい経ったら浮気してるんじゃないだろうか」とついつい深読みしてしまいます。

■まとめ

なんか最初にも書いたけどアルバムというより短編集。
一曲一曲にドラマがあるので普通のアーティストみたいに「この曲の流れがいい!」というものが無いですね。だからレビューしにくいのなんのって。本人もそれを分かっているから曲の間にショートドラマを入れたんでしょうけど。

ミドリカワさん、歌詞も凄いけど実は曲作りも上手いですよね。
「居るんだ」とか「私には星が見える」の切ないバラードから「顔2005」や「笑って俺について来い」の一度聞くとなかなか忘れられないキャッチーなのまで。

ただ、曲はチャッチーでも生々しい歌詞で好き嫌いが別れるかもしれません。
とりあえず公式サイトで全曲視聴できるので気になった方はどうぞ。
そして友達になってください。頑張って布教してるのにだれも好きになってくれない…。

戻る